君がため
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自分が小さかった頃の話だ。
自分の両親は自宅近くに住んでいる人達とよいお付き合いをしていた。
特に自分達と同じような年代の子供がいるご夫婦とは仲がよかったと思う。
そのご近所さんたちの中のAさん夫婦の話をします。
Aさん夫婦は自分が家の近くを通るとよく声をかけてくれたし、奥さんのAさんが作る料理はすごくおいしかった。
またAさんのお子さんと自分は年が近かったのでよく遊んだ。Aさん夫婦との思い出は楽しい思い出ばかりだった。
ただ自分はAさんの小さな異変に気づかなかった。Aさん家族も気づいていなかったらしい。
Aさんの小さな異変とは咳をよくするようになったらしい。だが自分はAさんが咳で苦しそうな表情をしているのを見たことはなかった。
今思えばせきするのを我慢していたのかもしれないが、本当に元気そうに見えた。
だが市販の風邪薬を飲んでもせきは止まる気配がなかったので、Aさんは念のため最寄りの病院に行った。
お医者さんの診断は風邪だった。
なので病院でもらった薬を飲み始めた。
そして病院でもらった薬を飲み続けてもAさんのせきは止まらなかった。
だがよく咳をする以外は変化はなかったらしい。なので無理しないように気をつけつつ生活をしていたらしい。
またAさんは病院の風邪薬を飲んでもせきがとまらないのが心配になったのか、自分と同じ症状の人がいないか知り合いに相談するようになった。
だが以前行った病院とは別の病院に行っても診断は以前と同じ風邪で、医者からは薬の相性が悪いのかもしれないと以前処方された薬とは別のものを出したそうだ。
だが2件目の病院で処方された薬が飲み終わってもせきは止まらなかった。
Aさんはそれでも医者の言葉を信じて自分の症状は風邪だと思い、その風邪が悪化しないようにと気をつけていたらしい。
それから月日が過ぎてAさんの親が地元でも規模が大きい病院で診察してもらわないといけなくなったので、Aさんは親の付き添いで病院に行った。
そしてAさんの親を診察した医者から、Aさんは精密検査が必要なので検査入院をするように言われた。
お医者さんがAさんに検査入院するよう言った時、Aさんは自分の親が言われていると勘違いして親の体調を心配したらしい。
だが医者はAさんのせきがおかしいと思ったらしく、親の診察と一緒にAさんの診察もしたが悪いところが見当たらなかったらしく、
だからこそ精密検査をした方がよいと言ってきた。
Aさんは医者からのアドバイスを保留して、その日は自宅に帰り家族や知り合いに医者から言われたことを相談したらしい。
そして家族や知り合いから念のため検査した方がよいとすすめられ、病院で精密検査をしたらしい。
ただAさんに違和感を感じたお医者さんはAさんの症状に心当たりがあったらしく、いくつかの検査をした。
その結果をAさんが医者から診断結果を聞く前に即入院と言われ入院することになった。
そしてAさんの家族は医師からAさんが末期のリンパ腫で余命わずかだと言われた。
医師からの余命宣告後のAさんやAさんの家族の話を自分は知らない。
ただ自分はAさんが入院する前だと思われるころ、学校からの帰り道Aさんに声をかけられた。
相変わらずステキなAさんから「これからも自分の子供達と仲良く遊んで欲しい」と言われ、自分はもちろんですと答えた。
そしてその会話をしてからどれぐらい月日が過ぎたか分からないが、自分がまたAさんとお話したいなと思っていた頃にAさんの訃報を地区の回覧板で私達家族は知った。
最初家族全員何かの間違いだと思っていたが、Aさん宅に行きお線香をあげた時間違いではなかったことに気づいた。
その後のAさん家族の話を自分は知っているが、これ以上Aさんの話をするのは辛いのでここでこの話は終了します。
ただ大人になってからAさんの死因であるリンパ腫について調べたが、主な症状を調べたが親から聞いていたAさんの自覚症状とリンパ腫の自覚症状の違いに驚いた
参考サイト→悪性リンパ腫の症状~こんな症状には要注意~
それから自分の実家では、いつもと違う症状が出てそれが続くようであれば医者に見てもらうようにしている。
お医者さんからすればなぜ病気の症状ではないのに病院に来るのか不思議がるかもしれないが、自分の両親はそのおかげかガンを早期発見できた。
(2人とも自覚症状があったガンだったので、早期発見につながった可能性は高い)
だが医者からは早期発見でよかったと言われたが、2人ともガンの手術が終わって退院後もガンが再発してないか確認するために今も定期的に検査入院をしている。
Aさんが最初に行った病院でガンだと分かれば、今も元気で生活出来ているかは自分には知識がないので分からない。
だがもし普段と違う症状が長く続くようなら病院でしっかり見てもらうことをオススメします。